エンタメバレエ「アラジン The Ballet Show」の舞台を観てから10日経ちますが、まだ余韻が残っているので感想の続きでも。
前回の記事にも書いたように、バレエとバレエ以外のパフォーマーが共演する新しいジャンルの舞台だったのですが、ここまで楽しかったのは演者さんのパフォーマンス以外のものとの融合も素晴らしかったからなんだよなあ、と、思い出したりYouTubeを見たりして思っています。
音楽、振付、照明、プロジェクションマッピング、衣装。
音楽だと、よく聞いたことのあるクラシック音楽や自分は初めて聞くオーケストラの曲、そしてこのアラジンのために作曲された曲(音はデジタル)でもクラシックっぽいものも現代的なものもありで本当に多ジャンルなのですが、場面場面にぴったりなものが使われていて、そして場面が変わって音楽がかわっても唐突な感じはない構成で。
振付もほんと素晴らしかった!どれをとっても、各ジャンルの良さを出しながらも1つだけ浮いて見えるようなことがなく、全体の流れを作って盛り上げるものになっていました。
プロジェクションマッピングは実は、YouTubeでたくさん見ていたにも関わらず、舞台に合うのだろうかと少し疑問が残りながら観に行ったのですが、覆されました。舞台照明と合わさって、各場面の表現だけじゃなくて世界観をお客さんに浸透させるような効果があったように思います。それに、詳しくない自分でもわかる、とても丁寧に作りこまれた映像でほんとうにきれいでした。
いきなり圧倒されたのは、冒頭に紗幕に映された、金色のラインで描かれたお城。紗幕を通り越して後ろの舞台にもラインが映るので立体的に見え、砂漠の向こうに輝く夜のお城を仰いでいるような感覚になりました。
衣装は当たり前にそこにあるように見えがちですが、登場人物が何なのかをお客さんに伝えつつ、カラフルだけどうるさくない組み合わせで、目に楽しい舞台の重要要素なんですよね。
エネルギー溢れる勢いある楽しい舞台でしたが、勢いだけに見えない満足感があったのは、これらを、空間の配置や時間の流れの中に緻密に組み込んで構成されているからなんだろうと思います。
改めて、これだけのものをあと2作品も1年で作って公表しているのは超人的。実現したい何かに突き動かされてどんどん進む感じは何かを開拓していく人の特徴で、例えば吉藤オリィさんとかれいわ新選組の山本太郎さんとかと似ていて、(SNS上で見るだけですが)見ていてわくわくします。
そして昨日YouTubeにあがっていた動画で言われていたように、本物バレエに子供のころから人生を注いできたネレアさん、マーケティングのプロだけどバレエは経験のないヤマダイさん(ヤマカイさん兄)、バレエ以外のこともしていた経験のあるヤマカイさんの3人のバランスが良くてそれぞれの熱意がすごいから、実現できていることなのでしょうね。