前回、膀胱腫瘍が尿管をふさいでいることが原因でおしっこがぽたぽた常に出ている状態となり、カテーテルを使って毎日おしっこを抜くことになると思われる状態になったことを書きました。その後いろいろ状態が変わったのでまとめておきます。
おしっこが完全に止まり、カテーテル留置することに
とりあえずステロイドを飲ませながら様子を見て数日後に受診の予定でしたが、その日を待たずに今度はおしっこが全く出なくなり、前回同様に脚に力が入らずとてもつらそうな様子になったので病院へ。カテーテルでの導尿をしてくれることになりましたが、今回はペニスの途中に何か塊があって、完全に詰まっている状態になっているということでした。詰まったところにカテーテルを通すのはのんちゃん自身かなり痛いようで、病院慣れしていてたいていのことは我慢できる子なのに、暴れて逃れようとしていました・・・。
塊は、膀胱腫瘍からはがれた何かなのか結石なのかわからないけれど、腫瘍からはがれたものなのであれば今後もいつ起こってもおかしくないし、その状態での導尿はやはり慣れたプロでないと難しいそうです。毎日おしっこを抜くことが必須で、そうしないととても苦しい状態になるので、最悪は安楽死も視野に入れたほうがよくなるというお話・・・。毎日通院して導尿してもらうのは、のんちゃんの体も飼い主である私たちの気力も、いつも混んでいる病院の負担も考えるとなかなか厳しいことで、途方に暮れかけたのですが、前回の通院では感染症の心配を考慮して最初に除外されていた留置カテーテル案を試してもらえることになりました。
膀胱まで通したカテーテルは、うんちが出てもつかないよう腰のあたりから尻尾に沿わせてテープで留めてあり、先にはキャップがついています。1日に3~4回、キャップを開けてシリンジを差し、おしっこを吸い出すことになりました。
おしっこを吸い出す途中、まだたいして出ていないのに止まったら、カテーテルに何か詰まっている可能性があるので、一度シリンジを押しておしっこを体内に戻し、もう一度引くと吸い出せるようになるということを教わりました。
はじめは自宅でも順調に導尿できていましたが、翌日あたりだったか、まだ1ccも出てない状態で止まったことがあり、電話で相談。すると、2~3ccなら空気が入っても大丈夫なので入れてから引いてみてください、とのこと。試したところ、吸い出せるようになりました!
しかしその後も途中で止まることが多く、通院時にきいてみたところ、のんちゃんの姿勢も影響していることがわかりました。
夫がいない時間に導尿するときは、途中で歩き出されると困るのでのんちゃんを横向きに寝かせた状態で行っていたのですが、それだとどうも腫瘍が邪魔をしやすい位置にくるのか詰まることが多いようです。お座りの状態だと比較的詰まることが少ないので、夫がいるときは歩き出さないように胸のあたりを支えてもらって行うことにしました。
しかし、お座りでも一度止まることがしばしば。まだ全然出てないときに体内に入れるものとしては空気よりはいいとのことで生理食塩水を出してもらったので、それを使ったり、あとはお腹をマッサージしたりしながら(腫瘍が動いてくれるのか、マッサージすると出るようになることが多い)、わりと順調に留置カテーテル生活は進んでいました。
カテーテル、抜ける
おしっこが溜まらなくなることで体が楽になってきたらしく、少し元気が出てきたのんちゃん。ある日帰宅すると、カテーテルが抜けていました!
最初に留置してもらったとき、抜けることが多いからエリザベスカラーは必須とのことで貸していただいたのですが、どこに行くにも寝そべるにも水を飲もうにもぶつかって首元が痛そうで、身体が弱っているところにさらに気力を削がれてしまうようでかわいそうなので外していました。身体がしんどいせいか、カテーテルを外そうとする素振りは全く見えてなかったこともあり、カラーは外したままにしていました。
(少し小さめで柔らかい素材のカラーなら少しは楽かもと、ネットで見つけた、ダイソーのシャンプーハットを使ったカラーをつけていたこともありましたが、それで水を飲んだりするのはやはり難しいみたいなので、ほぼカラーなしで過ごさせていました。)
カテーテルが外れたらおしっこを抜き出す手段がないので、病院で再度入れてもらいました。前回よりさらに抜けにくいような工夫をしたつけかたをしてくれていましたが、1週間ほどでこれもまた抜けてしまい・・・。
留置カテーテル卒業
しかしその頃は、カテーテルが体から出ているあたりから漏れるおしっこの量がかなり増えてきていて、シリンジで抜き出す量が減っていました。カテーテルが抜けた状態で通院時、診察台に座ったのんちゃんのお腹を先生が軽く触ると、じょーっとたっぷりのおしっこ。どうやら、もうそんなに詰まってはいないのでは??という話になり、しばらくカテーテルなしで過ごしてみることになりました。
それから2週間。おしっこは1日に数回、まとまって出るようになりました。筋力は弱いのでトイレにたどり着く前にシーツにしてしまうことがほどんどで、薬を飲ませるために抱き上げたはずみで出ることも多いのですが、それでも、ちゃんと出る状態でいられれば体のしんどさはかなり軽減されるようで、苦しそうにしている様子は見られなくなりました♪
あと、以前からあった血尿が、留置カテーテルを外したあたりから減ってきて、もうほとんど出なくなっています。出なくなっただけで腫瘍のあたりには血の塊などがあるのかもしれませんけど。
食欲復活への道
ただ、食欲だけは芳しくない状態が続いていました。一番苦しかったときは全然食べていなくて、カテーテル留置していた期間はちゅーるの総合栄養食を1日に1本程度、その後突然食べ始めてパウチを1日に1袋ぐらい食べたこともありましたが数日すると元通りのあまり食べられない状態に逆戻り。
腎不全はもう治らないので、尿毒症により吐き気から食べられない可能性はあるそうなのですが、他に、低カリウムか高カリウム血症による筋力不足と、貧血によるふらつきもあるかもしれないと思い、カリウムと鉄のサプリの量を変えてみることを思い立ちました。
カリウムは以前から与えていて、与えても食欲が落ちはしないことは確認できていましたが、ずっと与えているので高カリウム状態になっているのではないか。鉄は、肉球が真っ白になっているのを発見した10月末ごろから与え始めたのですが、人間と同様に胸やけ→食欲不振の原因ともなりうるらしいので。あと、1日に3回も4回も美味しくないサプリを口に入れられることからくる精神的な辛さもあるのではないか。ということで。
まずは、肉球も薄いピンクに戻ってきたことだし、カリウムも鉄も3日間ほど絶ってみることに。結果、食欲に変化なし。缶詰とちゅーるを盛った食器を常に置いていますが、1日に何度か食器の前に言って匂いを嗅ぐも、少し舐めてやめてしまう、という日々でした。スプーンで口元にもっていっても同じ。これだと心配なので、シリンジでちゅーるを1日に1本分ほど与えていました。ちゅーるに飽きているかもしれないので、口の大きいシリンジを買って缶詰(テリーヌ仕立て、という粒がかなり細かいもの)とちゅーるを混ぜたものを飲ませてみますが、缶詰の細かな粒が気持ち悪いらしく、嫌がります。
3日後、サプリを再開。1日に、鉄を0.5ml、カリウムを1.0mlにしてみます(サプリ断ちする前は鉄1.0、カリウム2.0)。再開してすぐは、前よりしんどそうとか食べないとか、元気になったとかいう変化はなし。しかし再開して3日目、突然食べ始めました!!盛ってある食器のところにいって一生懸命食べようとしますがうまく口で捉えられずにゃーにゃー言っているので、スプーンで持ち上げてみたら、ガツガツきました!!!
それから5日間、少しずつ食べる量が増えていっています。4日目のきのうは、テリーヌ仕立ての缶詰1/2個とちゅーる総合栄養食3本で、合計約80kcal。元気だったころの1日の食事と比べたら半分くらいですが、最近にしてはかなりたくさん食べています。体の力も少し戻ってきたように感じます。薬やちゅーるを与えるときに首を持ったときの手ごたえとか、階段を下りるときの様子が、前より少しだけ強くなっているみたい。近くに行くとにゃーにゃー元気に甘えてくれるようにもなったし。
嬉しいなあ・・・。今日がのんちゃんの命日になるんじゃないかと思った日もあったのに、ここまで、とりあえずかもしれないけど元気な姿が見られるようになって。
いまののんちゃんの毎日はこんな感じ
【食餌】テリーヌ仕立ての缶詰
1/2個とちゅーる総合栄養食
3~4本
【内服薬】抗菌薬毎日、ステロイド2日に1回
【サプリ】鉄
0.5mlとカリウム
1.0mlを毎日
【輸液】ラクテック注200mlを2日に1回
今はおしっこをトイレでするのが難しいので、基本的にケージ暮らしです。夕方から夜にかけてのみ、おむつをつけて自由にさせています。