松浦景子さんとバレエ、の件で思ったこと

吉本新喜劇の女優さんで元は本気でバレエをされていた松浦景子さんの、いま話題になっている件について。

松浦さんは、バレエが大好きで本気で取り組んでこられた方ですが、吉本に所属する今はそのバレエをつかっていろいろなネタをされています。ユーチューバーでもあり、バレエのいろんな面をいじった『バレエあるある』はかなり人気らしく、私も面白くてたくさん拝見しました。最近はワークショップを開かれたり、新国立劇場の方々と一緒に舞台で踊ったりもされているようで、バレエが多くの人の目に触れるようになるのは嬉しいなと単純に思っていました。

ですが何事もそうであるように松浦さんのバレエの『つかいかた』には賛否両論あるようで、SNSではかなりの数の批判コメントがあったと公表したことが、ネットニュースで大きく取り上げられて大きな反響があったというのが始まり。

すると、批判が多い件についてのいろんな方の意見がSNSで見られるようになりました。

批判を受けながらでも勇気を持ってバレエを多くの人に広めていることを好意的に捉える意見のほうが先に多く目に入り、私もほぼ同じように思っていたのですが、プロバレリーナの寺田翠さんの投稿で違った視点に気づけることに。

寺田さんの意見というのは、バレエを気軽に観に行けるようにするのは必要だけど、いまの流れからすると、絶対に大事にしなくてはいけない上質な伝統あるバレエが日本には根付かなくなってしまうのではないかと危惧している、というものでした。

その投稿はこちら→ https://www.instagram.com/p/CN1YCLcg2qW/?igshid=33bxzms8cb39

言われてみれば。

いろんな、著名ではない方まで含めてバレエを広めようとされている方々の活動は、本当に単純に同志が増えるきっかけを作ってくれていると思うので嬉しいのですが、正直いうと、『バレエしてる感じ』が普及しているだけのように見受けられる場面も多く、心のどこかにひっかかりはあったんです。本人がそれが楽しいのは別にいいのですが、軽く楽しむことが最優先で、動きの改善を真剣に試みる輩は雰囲気壊すから困る!みたいに感じることもあったりして。(松浦さんが学んで来られたのが『感じだけ』だと言っているのではありませんし、私自身だって、少しでもバレエの動きに近づきたくてあれこれ研究し続けているけど、プロの人から見たら『感じだけ』かもしれませんが。)

ひっかかりながらでも基本的には嬉しいのは、多くの人の目に触れるようになれば(分母が増えれば)、本物のクラシックバレエの美しさ素敵さに気付いて本物にハマる人の数もそれだけ増えるだろうという希望的観測があるから。ですが寺田さんの投稿には、かつてフランスで、バレエが伝統を捨てた娯楽になったのをきっかけにバレエが廃れた時代があった、というお話が載っていました。今の日本の風潮だと同じことが起こりかねない、と。

もし本当に、別にプロではない自分の目にさえも『感じだけ』に映ってしまうような『バレエ』しか存在しなくなったら・・・?と想像してみたら、あー嫌だなと思いました。寂しいし、観る楽しみを得られる場面がなくなると思います。

だからといって松浦さんのバレエのつかいかたは困る、とは全く思わないんですけど(見ていて楽しいですし^ ^)、バレエが広く認知されたあとには、本物も観たいとか本物やっぱりいいよねとか思う人が増えていてほしいなと思います。それには、本物を好きでいるみんなが自分を殺してまで『感じだけ』に合わせていかない勇気を持つことが必要なのかもしれません。同調圧力の強い日本ではどうしても多数派に合わせないと肩身が狭く感じる人が少なくないはずなので・・・。

でも間口を広げるための活動を、人気のある方々がされていて嬉しいのは本当に正直なところ。

私は、寺田さんの踊りやバレエに関する解説の投稿も、松浦さんのバレエネタも、どちらも大好きでファンです^_^

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