『力を抜く』の誤解

以前の記事にも書きましたが、バレエでよく聞く『力抜いて』という指導の解釈にはかなり注意が必要です。

私も何年もやり続けてしまい、今でもまだその癖が抜けないのですが、力を抜こうと思うと本当の脱力状態、筋肉が機能していない状態になってしまう人がけっこういると思うのです。必要な力まで抜いているので他のところに余分な力は入ってしまい、さらに『力抜いて』と言われ続けるので悪循環・・というパターンはけっこう多いように思います。

柔らかく軽く脱力して見えても、バレエでやっている動きはかなりの筋力を要するもののはず。完全にお休みしている状態の筋肉は、踊っている最中にはどこもならないと思うのです。

いやバレエや他の運動をしなくても、ただ座った状態を維持するだけでも必要な筋肉が働いているはずで、ほんとに脱力することでうまくいくのならそもそもその筋肉はついていないか、退化していくはず。

かといって、ぎゅっと力を込めているわけでももちろんないと思います。

『力を抜いて』うまく動けている状態の正体は、決して脱力しているわけではなく、筋繊維の方向に沿って伸びる軽い力が働いている状態、弾力があって、緊張と弛緩のどちらも、やろうと思えばいつでもできる状態ではないでしょうか。

『力抜いて』という言葉が頻繁に聞かれるのは、それを言っている人にとっては、力を抜こうと思ったほうが一番いい状態を保って踊れるからなのかもしれません。でも、抜く=完全脱力 ではないと思うのです。

脱力癖がついてしまうと、最低限必要な軽い力を使うことさえも難しくなってしまうように思います。また 、脱力→他の部分の不要な緊張  を続けていると、どこかの筋肉は凝り固まってしまいます。その場合、脱力ではなくて自分の筋力を使うことでほぐす、というのが効果的な場合も多々あると実感しています。

だから、柔らかく使う=力を抜く の1つしか正解イメージはないなんて思わないほうが良いです!

言葉と、筋肉の動き方の関連は、人によって違うんです。これは確実に事実。

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ バレエへ
にほんブログ村

シェア、フォローお願いします!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です