『結婚相手は抽選で』に見る心のリハビリ

フジテレビで土曜の深夜に放送されている『オトナの土ドラ』シリーズが好きで、ずっと見ています。『オーファンブラック』とか『火の粉』とか、たしかに子供に見せるのはどうかな・・と思う重かったり怖かったりするテーマのものが多く、展開も早くて小気味いいのです。

いまは『結婚相手は抽選で』をやっています。始まる前に予告を見たときはあまり期待していなかったのですが、意外にとても面白くてはまっております。

 

<以下、あらすじなので見たくない方は閉じてくださいm(__)m>



(けっこうドラマ好きだな私。。)




政府が少子化対策のために、未婚の男女を抽選で強制的にお見合いさせ、結婚させるという法案を施行します。お見合いしても、結婚したくないと思ったら断ることはできますが、3回断ったらテロ対策活動後方支援隊に2年間従事しないといけないというペナルティーが待っています。

主人公の龍彦は、中学時代に受けたいじめが原因で潔癖症になり、自信がなく、アニメ好きというどちらかというと少数派である条件を持っているため、厳しい反応をされて断られ続け、落ち込む日々。

自分以外にも、子供を産めない身体の人や、同性が恋愛対象である人などに出会うことを経て、政府による『いじめ』であるこの法律を改正させようという活動を始め、生き生きと取り組むようになります。いつしか潔癖の癖が見られなくなって、、、というところで前回は終了。



お見合いをして断られて、、と進んでいくストーリーの中に、人との関係で苦しむ原因となりうる多くの問題が盛り込まれています。

容姿端麗でない人への差別、おとなしい趣味を持っている人(いわゆるオタク)への差別、性的マイノリティーへの偏見、毒親、などなど。

見ていて心がチクチクするシーンが多いのですが、龍彦が見合いした奈々との友人関係は、ほっこりでき、お見合いは”リーチ”の(すでに2回断った)奈々のために龍彦が断る結果になったけれど、なにかしらの形で今後も続いてほしいなと思ったり。

だから、あと1回で最終回なんて無理じゃないですかね~、って思います。あと2回は、みんなのその後が見たい。

 

そして潔癖症になってしまった龍彦が、心から打ちこみたいものを見つけたことで潔癖を忘れていくという過程も興味深いです。

辛い経験がきっかけでできてしまった潔癖症という癖は、通院でも服薬でもなく、日々の糧になる事柄のおかげで消えていくのです。これ以上ないくらい自然なリハビリができたということ。

実はこの、題材や環境がよければ日常生活で自然なリハビリが可能だということは、私自身もまさに今経験しているところなんです。

何か大きな辛いことがあったわけではなく、日々の少しずつの経験の積み重ねから生まれたおかしな思考の癖ですが、定着してしまい、とても生きづらくて困っていたのです。が、新しい仕事が、内容や人間関係や風土などがどれも丁度よく、そのめんどくさい癖が顔を出しにくい時間を過ごせるのです。

おかげで、辛くても自分のバリアのようであった変な癖は、だんだんとその気配をなくしていっています。すっかりなくなることはないかもしれない、というか、それも1つの視点なので自分の経験の1つとしてかすかな記憶には残しておきたいですが、徐々に、その癖が出ないのがデフォルトの自分になっていけそうな希望が、最近見え始めています。

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